本書は、長年消費と社会の関係を分析してきたという筆者が、昭和からの大衆消費のトレンド(第一~第三の消費)を振り返りながら、今後の消費(第四の消費)の展望を述べたもの。
<ポイント>
①第一の消費(1912~1941年)
○大都市に限定した「モダン」化(e.g. モボ(モダンボーイ)、モガ(モダンガール))
・大正の三大洋食:カレーライス、とんかつ、コロッケ
・カルピス発売(19年)、新宿三越(29年)、新宿伊勢丹(33年)
②第二の消費(1945~1974年)
○近代工業化の進展による家庭への大量製品の普及 (「大きいことはいいことだ」)
・三種の神器-昭和30年代:洗濯機、冷蔵庫、テレビ
-昭和40年代:3C(カー、クーラー、カラーテレビ)
・鉄筋コンクリート造りの団地に住む洋風化したライフスタイル(昭和30年代~)
③第三の消費(1975~2004年)
○消費の個人化(家計から個計へ)
・軽薄短小がナウい(e.g. ウォークマン、パソコン、軽自動車)「家電から個電へ」
・物からサービスへ(e.g. 外食産業)
・量から質へ(e.g. ブランド志向、健康志向)
④第四の消費(2005年~2034年)
○社会とのつながりやシェアを大事に(社会重視、シェア志向、シンプル・カジュアル志向)
・情報社会と利他志向(e.g. Facebookへの書き込みと「いいね」への満足)
・エコ志向、日本志向、地方志向(e.g. すだれや打ち水など伝統的な生活、自然と親しむ暮らし)
※環境問題に関心がある人は、
①日本のことが好き(85.2%)、
②初詣に行く(65%程度)、
③来年以降も使えそうなデザインの、丈夫で長持ちしそうな、基本性能が良い物を買う(50%程度)
(カルチャースタディーズ研究所「現代最新女性調査」2010
:首都圏20~39才の女性を対象)
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