2014年6月26日木曜日

【書評】君たちはどう生きるか(吉野 源三郎著 1937年)

本書は、日中戦争時に書かれた少年少女向けの倫理の本。中学生のコペル君が友達との学校生活や叔父とのやり取りを通じて物事の考え方を学んでいくスタイルで、今読んでも全く色褪せない内容です。娘が小学校高学年になったら、ぜひ読ませたいおススメの一冊です。

<ポイント> 
  • 自分を世の中の一分子と感じることは、天動説(自分達が世界の中心)から地道説(自分を離れて正しく判断)に変わるぐらいの大きなもの。大人になっても忘れずに。
  • 「立派な人」と「立派そうに見える人」の違いは、心の底からそうありたいと願い、誰がなんと言ってもという心の張りを持って、正しいことを正しいと自分で判断できるようになること。心から感じたことやしみじみと心を動かされたことは、いつまでに大切に。
  • 本当の発見とは、人類がはじめて知る偉大な発見。このためには、今の学問の頂上に上って、その頂上で仕事をすることが大切。
  • 貧乏だからと言って引け目を感じることはない。その自尊心を傷つけることは絶対してはならない。貧乏でないことの「ありがたさ」。その労働なしに文明もなければ進歩もないこと。
  • 英雄とか偉人といわれている人々の中でほんとうに尊敬できるのは人類の進歩に役立った人だけ。彼らの非凡な事業のうち、真に値打ちのあるものは、ただ人類の歴史の流れに沿って行われた事業だけ。
  • 英雄的な気迫を欠いた善良さも、人類の進歩と結びつかない英雄的精神同様に空しいもの。
  • 自分のあやまちを認めることはつらい。しかし、あやまちをつらく感じることの中に、人間の立派さもあり、あやまちから立ち直ることもできる。
  • 学問や芸術に国境はない。遠い異国の文物でも、優れたものには心から感心して、それを取り入れ、文明を高めていくことができる。

0 件のコメント:

コメントを投稿