2012年11月20日火曜日

【書評】自分でやった方が早い病(小倉広)

【評価:】 (興味関心があれば読むことをおススメ)

本著は、いつまで経っても、他の人に仕事を任せられない、プレイヤー1人分の仕事しかできないこと(自分でやった方が早い病)の問題点や原因、対策について述べたもの。

【問題点】
・他人に任せられない=他人を信頼していない、信頼されていない証拠
・体の調子が悪くなる⇒仕事のクオリティが下がる
・うまくいかない原因を他人や周辺環境のせいにするようになる
・気付けば、任せられる人が周りから一人もいなくなる
・笑顔と余裕が消える=社長やリーダーが休日出勤やせかせか働いている組織はどこかに問題を抱えている
・「まわりを使えない」と思っているほど周りから「使えない」と思われている
・いつまで経っても優秀な人が現れない=今いる人が現時点のベストメンバー

【原因】
・根本は「利己主義」で仕事をしている=自分大好き人間(⇔利他主義=相手に仕事を任せない限り、その相手は仕事ができるようにはならない)
・まわりの人と一緒に成長していない⇒仕事をこなすのが目的ではなく、仕事を通じて部下の成長を促すことを目的になる
・「任せる」に関する三つの大きな勘違い
 ①「任せる」は失敗が前提・・・すぐに使えないと烙印を押さないこと。これまで任せてこなかったら、任せられないだけ
 ②「任せる」は「丸投げ」ではない・・・すべて見ているし、細かくチェックする。一挙一投足を眺め、脇からハラハラしながら見守る必要
 ③他人に任せても楽にはならない・・・最初は必ず仕事量が増えて、負担が大きくなるもの

【リーダーの処方箋】
・一度痛い目に遭う(実際に困らなければ考えや行動は変わらない)
・結果を出すこと≠人に任せて育てること
・任せる=失敗する権利を与えること
・まわりの人をヒーローにする(自分は裏方に徹する気持ちで)
・任せる≠作業をふる ⇒ 仕事と責任をセットで任せる
・仕事を任せてもいい人の特徴=信頼性がある、責任感がある
・自分のコピーを作ろうとしてはいけない=任せた以上、部下のやり方に口出ししてはいけない
・どうしても口出ししたい時は、つぶやき戦術で軌道修正
・「押し」(ティーチング)と「引き」(コーチング)で上手に任せる
・忠告(言いたいこと)は3つに留める
・PDCAのP(計画=Plan)、C(検証=Check)、A(改善=Adjust)を部下と一緒になって全力を注ぎ、D(実行=Do)は部下に任せる
・仕事を任せたい人とコーヒーを飲む(週に一度ティータイム面談を行い、コミュニケーションを図る。できれば職場の会議室ではなくてスタバなどのコーヒーショップで行うのがベター)
・あえて70点の業務マニュアルを作る(最低限やるべきことのチェックリストを作る)=残りの30点は独自性を出させるための余白


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