2012年12月5日水曜日

【書評】第四の消費 つながりを生み出す社会へ(三浦 展)

【評価:】(興味関心があれば読むことをおススメ)

本書は、長年消費と社会の関係を分析してきたという筆者が、昭和からの大衆消費のトレンド(第一~第三の消費)を振り返りながら、今後の消費(第四の消費)の展望を述べたもの。

<ポイント>
①第一の消費(1912~1941年)
 ○大都市に限定した「モダン」化(e.g. モボ(モダンボーイ)、モガ(モダンガール))
  ・大正の三大洋食:カレーライス、とんかつ、コロッケ
  ・カルピス発売(19年)、新宿三越(29年)、新宿伊勢丹(33年)

②第二の消費(1945~1974年)
 ○近代工業化の進展による家庭への大量製品の普及 (「大きいことはいいことだ」)
  ・三種の神器-昭和30年代:洗濯機、冷蔵庫、テレビ
            -昭和40年代:3C(カー、クーラー、カラーテレビ)
  ・鉄筋コンクリート造りの団地に住む洋風化したライフスタイル(昭和30年代~)

③第三の消費(1975~2004年)
 ○消費の個人化(家計から個計へ)
  ・軽薄短小がナウい(e.g. ウォークマン、パソコン、軽自動車)「家電から個電へ」
  ・物からサービスへ(e.g. 外食産業)
  ・量から質へ(e.g. ブランド志向、健康志向)

④第四の消費(2005年~2034年)
 ○社会とのつながりやシェアを大事に(社会重視、シェア志向、シンプル・カジュアル志向)
  ・情報社会と利他志向(e.g. Facebookへの書き込みと「いいね」への満足)
  ・エコ志向、日本志向、地方志向(e.g. すだれや打ち水など伝統的な生活、自然と親しむ暮らし)
   ※環境問題に関心がある人は、
    ①日本のことが好き(85.2%)、
    ②初詣に行く(65%程度)、
    ③来年以降も使えそうなデザインの、丈夫で長持ちしそうな、基本性能が良い物を買う(50%程度) 
   (カルチャースタディーズ研究所「現代最新女性調査」2010
     :首都圏20~39才の女性を対象)


0 件のコメント:

コメントを投稿