2012年9月19日水曜日

【書評】人間関係の心理学(碓井 真史)

本書は、心理学を日常生活に活用するための方法を心理学界における研究成果など交えて解説するもので、大学教授が執筆したものとしてはイラストも多く、コンパクトで分かりやすい内容で、また範囲もコモンズの悲劇やゲーム理論といった経済学など他学問の領域も含め幅広くカバーしている印象を受ける良書。特に印象に残った内容(関連書も含め)としては、

自己開示…心を開くほど仲良くなれる。自己開示が進むと、自分の理解も深まる。
自己モニタリング…日本人は「この場面で自分は何が求められているか」を考える人が多い
シャドウ…自分の嫌な部分を認めたくないために、その部分を表に出している人に過剰反応する。
初頭効果…第一印象であなたのイメージが決まる。
        ⇒ 最初に出会った「2分間」が最も大事(「好かれる技術」(植木理恵)より)。
非言語コミュニケーション・・・視線の合わせ方[①自分が話し始めるとき、②会話が盛り上がってきたとき、③自分の話が終わるとき]
ピグマリオン効果…なりたい自分になるためには、本当になれると信じることが大事。
嘘の心理・・・嘘をついているときの体のサイン[①視線が不自然に動く、②呼吸が乱れる、顔が紅潮、汗をかく、③自分で自分を触る、④早口になる、⑤手の不自然な動き(身振り手振りが大げさ、腕を組む、ポケットに入れるなど)]
嫉妬・浮気の心理・・・自分にそんな気があるからそう思う[例:毎晩帰りが遅い。きっと浮気しているに違いない⇒実は…わたしも外へ出て違う男と遊びたい、という欲求の投影]
リスキー・シフト・・・会議や大勢の話し合いの結論は、極端に保守的(超安全策)か、危険度の高い(イケイケ)になりがち。集団で考えるとおろかな結論に導くことも(集団的浅慮)
マイノリティ・インフルエンス・・・少数派が多数派を動かす4条件[①少数派は意見を変えない(ブレない)、②多数派が不安定である、③協調できるところは協調する、④繰り返し意見を言う]
ランチョン・テクニック・・・食事・呑みでの商談・交渉では、①聞き役に回る姿勢が大事。②強い説得材料があるとき、相手の関心が低い時は最初に、高い時は最後にそれを伝えると効果的。③できれば自分の行きつけのお店がよい。




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