2011年11月29日火曜日

【書評】官僚の責任 (古賀 茂明 )

本書を一読した感想は、その辺の暴露本と変わらないと思います。古賀氏自身または周辺で起きた官僚の堕落した姿を紹介し弾劾しているのですが、全体を客観的に俯瞰するというより、あくまで個人の目線で事象を捉えている感が、芸能人や時々ある官僚や企業人の暴露本を想起させました。

また、辞める前の経済産業省時代に書かれたというので時期的に仕様がないかもしれませんが、暗に改革に取り組んできて自分が善で、抵抗した官僚集団は悪という二項対立を演出したいようにも見えました。その割に、改革の中身があまりクローズアップされていなかったので、もしそのような引き立たせ方をしたいならば、しっかりと改革派官僚が何を思い、実行しようとし、そして何故抵抗されて頓挫したのかを述べられた方が良かった気がします。辞めてすぐに刊行された本書ですが、上記の印象で、かえって元改革派官僚としての格を下げてしまった感があります。がんばれ、古賀氏!
官僚の責任 (PHP新書)

0 件のコメント:

コメントを投稿